理事長挨拶

理事長

大島 弓子

2023年 年頭のご挨拶
-看護学教育において、苦難の克服から適応に向けて進んでいきましょう-


 2023年の年頭にあたり、日本看護学教育学会の理事長として、ご挨拶申し上げます。
 会員の皆様、2023年の新年を、それぞれの場で心地よく迎えられたでしょうか?
 本学会は43年目を迎えますが、この数年はCOVID-19に振り回されながらの生活で、それは看護学教育の場も同様でした。この状況は現時点でも大きな変化はみられないものの人々の受け止め方、過ごし方が変化してきていると思われます。人間が適応して生きていくことを全世界で実証しながら進んできているように思われます。
 この状況は看護学教育の場でも同様で、COVID-19パンデミックによって余儀なくされたオンラインを用いた教育や、実習教育をシミュレーション化して成果をもたらすための教育の開発など、有効な教育への開発を進めてきている現状があります。前向きに物事を進めていくエネルギーをもつ私達なのだとも感じています。つまり、苦難があれば立ち向かう、このようにして看護学教育に携わってきた先輩方も、今の私達も、これからの人々も、「進んで来た」、「進んでいる」、「進んでいく」のではないでしょうか。そう思うと、2023年の年頭の今、今後に向けて新たに明るい希望が湧いてきます。
 とはいえ、現実には現在、看護学教育はさまざま課題をかかえています。看護学教育制度の問題や、教育内容や教育方法を含む質の向上と質の担保に対する教育・研究の不断の取り組みへの努力、また、教育する側からの課題のみならず、COVID-19禍が十分解消されていないままの状況で教育を受ける学生側のもつ困難等の課題など。すべて、解決に向けた取り組みに着手できるわけではありませんが、1つ1つ、地道に向かっていく必要があります。本学会としては、より良い看護学教育の遂行を目指して、優先順位を考えながら課題に向けて取り組んでいきます。今年度は、質の担保に向けて行う研究においての「倫理」にも視点を当て、進めていきたいと考えています。
 現在、会員への情報発信は、メールを活用させていただくと共に、HPを充実し活用を強化してきています。特に、この4月からは郵送による情報発信は必要最小限となります。また、学会誌も2022年4月からEジャーナルが開始して、この3月で1年となり、併用していた紙ベースの学会誌は、4月から希望者に有料で購入していただくことになります。つまり、郵送による情報発信は少なくなります。会員の皆様には、この状況で課題や疑問があれば、是非忌憚のないご意見をいただきたく思います。
 また、学会運営について組織的に進めてきておりますが、その中で、デジタル化したデータをクラウド保存し、学会のアーカイブ化を着実に進めております。これは、ここ数年のCOVID-19禍で有用に活用できることが実証できていますので、今後も進めていく予定です。
 2023年は、現在の理事会にとって任期2年中、ちょうど真ん中となり、多様な活動の出来る時でもあります。理事・監事一同、評議員、そして委員会の委員、学術集会長共々、皆で力を合わせて、本学会の活動をより良いものにしていきたいと思っております。
 会員の皆様、どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。