倫理委員会
本委員会では、看護学教育の倫理及び看護研究の倫理に関する活動を通して、会員の皆様の教育・研究の倫理的実践に寄与することを目指しています。
主な取り組みは、①看護学教育学における倫理に関すること、②看護学教育の研究における倫理に関すること、③学会員の看護研究に対する倫理審査に関すること、④その他看護学教育および研究における倫理に関する内容で、理事長から委託されたこと、などです。
【委員長(所属)】
前川幸子(甲南女子大学)
【委 員(所属)】
●研究倫理委員会
副委員長 :吉沢豊予子(関西国際大学)
跡上富美(熊本大学)、小松万喜子(中部大学)、山勢博彰(山口大学)
●研究倫理審査部会
部会長:小松万喜子(中部大学)
副部会長:山勢博彰(山口大学)
跡上富美(熊本大学)、大北全俊(滋賀医科大学)、林千冬(神戸市看護大学)、森山幹夫(健康科学大学)、堀口一明(医学書院)
【2023年度活動内容】
1)倫理委員会、編集委員会、研究推進・研究助成委員会合同主催第33回学術集会理事会企画<第2回 研究倫理を語り合うフォーラム> テーマ「看護学における教育実践研究の倫理」の開催
《登壇者》
○大北全俊先生(滋賀医科大学)「看護学における教育実践研究の倫理:医療倫理の立場から」
○小松万喜子先生(中部大学)「看護学における教育実践研究の倫理」
本理事会企画は、昨年度3つの委員会が合同主催した「第1回研究倫理を語り合うフォーラム」に継続するものでした。テーマはアンケート結果において要望が高かった「教育実践研究における研究倫理」「学生を対象者とした研究への倫理」を踏まえて「看護学における教育実践研究の倫理」としました。
看護学教育研究の対象者は、看護学生、医療スタッフ、教員等のみならず、レポートや試験結果なども含まれます。その際、人を対象とした生命医学・医学系研究倫理指針に基づいて行うことになりますが、そこで医療倫理学の立場から、大北全俊先生にどのようにすれば倫理指針に基づいた研究が実現するのかご提言いただきました。さらに看護学の立場から小松万喜子先生には、看護学教育実践研究における特徴と、それを踏まえた倫理的な課題について具体例を含めてご提言いただきました。本内容のアンケート結果では、看護学教育研究を進めるにあたっての倫理的な困難性にだけ着目しがちですが、教育実践の特徴を踏まえた上で改めて倫理の重要性や、研究倫理の考え方について再考することができた、などの意見があり好評を得ました。看護学の発展に欠かせない教育実践研究は、対象者の人権を守ることを第一義とする倫理的実践であることが求められます。その必要性を改めて再確認することで、看護学教育研究の倫理の意義と具体的な解釈について熟考する機会となりました。
2)「看護学教育における倫理指針」作成に向けた取り組み 本倫理指針は、看護基礎教育において看護学生の教育に携わる教育者(教員、臨地実習指導者など)に向けた行動指針として、個人そして組織で用いられることを目指し、取り組みに着手し、現在、作成段階にあります。
【2022年度活動内容】
2022年度は、「看護学教育研究の倫理」に関する理解の促進に取り組んできました。看護学教育における研究倫理について、3つの委員会(倫理委員会、編集委員会、研究推進委員会・研究助成委員会)が協働して「第1回 研究倫理を語り合うフォーラム テーマ:学会発表・論文投稿における研究倫理:-二重投稿およびいわゆる分割投稿について考えてみよう-」をLive配信とオンデマンド配信により開催しました。
編集委員会委員長:小山田恭子先生、倫理委員会副委員長:吉沢豊子先生、監事:秋元典子先生によるご講演、そして参加者との意見交流を行いました。多くの方にご参加(Live配信:約270名)いただき、アンケートでは、継続的な開催を希望する意見が数多く寄せられました。また、今後行って欲しいテーマとして「教育実践研究における研究倫理」「学生を対象者とした研究への倫理」などが挙げられました。これらのご要望を受けて、JANE第33回学術集会の理事会企画では、第2回目のフォーラムテーマとして「看護学における教育実践研究の倫理」について開催することになりました。
倫理審査部会においては、学会員からの研究倫理審査申請及び再審査申請に対して通常審査を行いました。
今後も研究倫理の理解を深めることで、看護学教育の実践・研究の推進に向けて取り組んで参ります。